第44回日本臓器保存生物医学会学術集会

第44回日本臓器保存生物医学会学術集会

座長のことば

進化する免疫抑制薬物療法(仮題)

臓器移植の発展は、優れた免疫抑制薬の創製および育薬と共にあると言っても過言ではない。本シンポジウムでは、進化する免疫抑制薬物療法の基礎から臨床までを取り上げ、臓器移植における新しい免疫抑制ストラテジーについて考える。基礎分野では、新規作用機序に基づく免疫抑制薬物療法の可能性を取り上げ、また育薬の分野では免疫抑制薬のテーラーメード療法に関する最新情報を盛り込む。

←演題募集のご案内へ戻る

臓器保存のup to date ; 我々の進むべき道

我が国に限らず、欧米においても心停止ドナーも含めたマージナルドナーからの臓器移植は活発になっている。現在、臨床臓器移植においては低温灌流後の浸漬冷却保存が一般的であるが、肝臓では2010年の低温持続灌流保存の報告以来、特に温度に着目しいくつかの臨床研究が行われている。腎臓はすでに我が国でも心停止ドナーで低温持続灌流保存が行われ、国産の装置の開発が望まれている。肺においても、心停止ドナー肺を持続灌流装置で機能評価してから移植する方法が海外で導入されている。本シンポジウムでは、我が国における臨床臓器移植に即した臓器保存に関わる基礎的・臨床的演題を募集し、活発な討議を期待する。

←演題募集のご案内へ戻る

再生医療 up date

幹細胞研究は、ES細胞、iPS細胞をソースとして細胞分化誘導とその凝集体形成まで急速に進められている。さらにこれらのオルガノイドの生体に移植する際の組織構築のテクノロジーも進歩してきた。本シンポジウムでは、我が国における再生医療のup dateとして最先端研究の現状と抱える課題を論議する。

←演題募集のご案内へ戻る

各臓器移植におけるDSAの意義

臓器移植前後においてクロスマッチテスト陽性であること、すなわちドナーの HLA に対して抗体(donor specific antibodies:DSA)が存在することは、一般に抗体関連型拒絶反応(antibody-mediated rejection:AMR)のリスクがあり、予後不良因子とされている。しかし、preformed DSAやde novo DSAは移植臓器の種類によってその意義は一律ではない。本シンポジウムでは、各臓器移植におけるDSAのグラフトに対する感受性や応答の特性を自施設のデータを通して報告していただきたい。

←演題募集のご案内へ戻る

コーディネーターから見た移植医療の展望と今後の展望(仮題)

2010年7月に改正臓器移植法が施行され、脳死臓器提供が増加したが、心停止後腎提供が減少したため、死体臓器提供全体としては減少していた。しかし、その後の諸ルールの改正などで、総数も徐々に増加し、100件を再び超えようとしている。このような中で、移植患者を診るレシピエント移植コーディネーター(RTC)、臓器提供の関わるドナー移植コーディネーター(PTC)ともに、我が国の移植医療における役割は、さらに重要になってきている。PTCの中には、臓器あっせん権のある日本臓器移植ネットワーク(JOT)所属のPTC及び都道府県PTC、臓器提供施設に所属する院内PTC、組織移植PTCとでは、職種、雇用形態、業務が大きく異なっており、求められる役割は違う。しかし、いずれのPTCも、我が国の移植医療を適正に発展させるには欠くことのできないものと考えられる。本シンポジウムでは、各コーディネーターの立場から、我が国の移植医療の現状と課題を提示し、ぜひその課題を克服するような施策を提案していただいたうえで、我が国の移植医療の展望について述べていただきたい。

←演題募集のご案内へ戻る

異種移植

臓器提供不足は世界的に深刻な問題である。異種移植は、遺伝子改変技術の著しい進歩と移植免疫に対する理解が深まり、この1~2年の間にNon-human Primateを用いた前臨床実験によって、膵島移植で6か月以上の正常機能の維持、異所性心移植で2年以上の心拍動が報告されており、実践的治療手段として臓器不足を解決する有力な手段となる段階が近づいている。わが国においても、これまでは異種移植に関してはネガティヴな意見が多かったが、昨年度の厚生労働省の指針の改定によって、ブタの細胞のヒトへの移植が解禁となり、異種細胞・臓器移植の実施への機運が日々高まっている。本シンポジウムでは「臨床応用を視野に入れた異種膵島移植、異種実質臓器移植、異種移植免疫寛容戦略」に焦点を当て、4名の演者の発表に加え、総合討議時間を設け、異種移植の現状と臨床応用へ向けての成績向上戦略と問題点を討議する。

←演題募集のご案内へ戻る

細胞移植

近年、自身の細胞または他人の細胞を用いて疾患を治療する「細胞移植」が盛んに行われるようになっている。古くから実施され保険適応となっている細胞移植としては、「輸血」や「造血幹細胞移植」などがあり、最近では「膵島移植」や「肝細胞移植」など、臓器移植の対象となる疾患を細胞移植で治療しようとする試みや、「間葉系幹細胞移植」や「免疫細胞療法」など自己の細胞を用いた治療法も報告されている。このシンポジウムでは、これらの細胞移植における最新知見を報告していただく。

←演題募集のご案内へ戻る

組織移植の発展と展開

組織移植の歴史は古く、特に当初は、心停止後に臓器を構成する組織を採取、保存し、待機的に移植するというその特殊性から、臓器移植とは異なる道程をもって発展してきた。実際本邦でも、組織移植学会がその主体となり、臓器移植ネットワークとは異なる独自のネットワークを構築し、ガイドラインの整備から先進医療、保険診療へと組織移植医療を発展させてきた。しかしながら、「移植」という意味では、医学的にも社会的にも、「組織移植」と「臓器移植」は非常に密接した関係にあり、この臓器保存生物医学会において、「組織移植」を取り上げる意義は極めて大きい。特に「組織移植」の近年の発展は目覚ましく、ネットワークの拡充、羊膜移植の保険収載、再生医療への応用など、領域を拡大しながら発展を続けている。本シンポジウムでは、医学的・社会的見地から「組織移植」の現状と展望につき発表していただき、「臓器移植」や「再生医療」との連携と発展の可能性につき議論したい。

←演題募集のご案内へ戻る